トントさんと言葉のデッサン

人生で出会ういろいろな事を日常の言葉で描きたいと思っているブログです。

人生のコツ  小さく始める、小さく続ける

今回は、「小さいこと」についての話をしたい。
話が小さいな、というなかれ。 

 日頃の生活では、これはやらなければいけない事だ、と感じているのに、なかなか始められないでいる事がある。例えば、部屋の中に散らかった物の片づけなど。

どうしてだろう、とその時の自分を考えてみる。
 

(一挙にやるというイメージ)

 すると、その時に抱いていたイメージは、どうも、「ある日に一挙にドッとやる」というイメージになっていることに気づく。

 このイメージの中で、時間を決めなければならないし、いろいろな準備もあり、考えることも多そうだし、といろいろ思いを巡らすうち、他にやることもあることなので、またの機会にしようとなる。頭の中で「一挙にやるというイメージ」が重く感じられ、いつまでも始められない自分を意志の弱い怠け者かもしれないと漠然と考えはじめる。それでますます開始のハードルが高くなっていく負のスパイラルにはまってしまう。これはもう行う前のイメージの段階で負けていると言っていい。

 

(イメージを変える)

 そこで、このイメージを変える。「小さく始める」というイメージをあえて持ってみる。全部でなくても、少しでもいいじゃないか、始めてみよう、と。
すると、少ししかやらないから、それほど始める時の気持ちエンジンのエネルギーが少なくて済む。少ないから容易にやり終えることができる。実際やってみてそう感じる。
 

(小さく始めることの意味)

 思うに、「大きいことをなかなか始めない」のと「小さいことでも始めてみる」のとでは、大きな違いがある。
 始めない場合では、いくら想像上の成果が大きくても、そこに行動したことによる新しい経験がない。ところが小さくても始めた場合には、始めたことによってどんなにささやかでも新しい経験が生じる。これは自分にとって全く新しい状況だ。この新しい状況は、どんなに小さくても自分に新しい気持ちを呼び起こす。
 この新しく得られる新鮮な気持ちの自分への効果は大きい。これは頭でいくら想像し悩んでも得られない。それは、自分でも始める事ができる、という自信でもある。小さくても確かな自信のかけらを少しずつ自分の中に貯めていく。そして、小さな事でもこのやり方でこれからも続けていけばいつか必ず全体も終わる、毎日少しづつでも進んでいる、という安心感がある。
 この積み重ねは、やがて、失敗経験も含めていろいろな経験とともに様々な状況に対応できるという自信につながっていくに違いない。
小さく始めることは、生産的な循環への方向転換でもある。
 

(と言うわけで・・・)

 小さく始め、小さく続けることは、「小さくても確かな自信のかけらを得ることができる」、「前向きな方向への転換をすることができる」、そして、「いつか必ず終えることができる正しい方向に向かっているという安心感を持つことができる」。
これは、人生のちょっとしたコツではないか、と思い始めている。
 
小さいことを、もう一つ。
 

(小さいものは自然とたまって大きくなる)

 塵も積もれば山となる、という言葉がある。
小さいからと侮ってはいけない。放っておくといつの間にか溜まる。さすがに本当の山ほどになる前には気がつくが、目の前のちょっととした小山程度になるのは意外と気づきにくくそのためか早く感じる。後でと思っているうちに気がつくと山塊になっている。
 掃除機の中に溜まった部屋のホコリ、目を通さなければならない書類の山、しなければならない仕事の山、読みたいと思って買った本の山、部屋の中に散らかった得体のしれない物の山。来る日も来る日も溜まっていく。意識の問題なのか、時間の速さなのか、ともかく、小さなものは溜まっていく。それも早く。これは、ある意味で自然法則とも言っていい。
 小さなものは、ほおっておくといつの間にか溜まる
これが、自然法則であるとすれば、これに抵抗しても始まらない。この法則に沿って、物事を進めることが、成功の秘訣だ。
 

(人は、大きい事は好きだが、行うのは苦手)

 コンピュータを利用した処理にバッチ処理リアルタイム処理というのがあるという。
 処理すべきデータをためておいて適当な時に一括して処理するバッチ処理。データが発生した都度プログラム処理してしまうリアルタイム処理。
 コンピュータを使った仕事は、データをためておいて一挙に処理した方が効率がよい事務と、その都度データ処理をして結果をオンラインで返す方がよい業務に応じて、それぞれ使い分けているという話だ。
 問題は人間が手作業で行う場合だ。コンピュータのようにどんな量の対象を前にしても文句も言わず淡々と対処できるならともかく、我々人間は、山となった日常の仕事を前にした時、理由を見つけてなんとか先延ばししようとする心理がある。
 大量一括処理は、集団で行うか、大型機械を使うかでもしない限り、個人作業には向いていないように思う。このような心理も、ある意味、自然的傾向として強固なもので、逆らっても事は進まない。それよりは、そうした法則や傾向に沿った方法を採用する方が理に適っているということになる。
 

(物事を進める理にかなった方法)

という訳で、
たまっては困るものは、大きくなる前にどんどん溜めないで片づける。小さなことでもその場でやる。
逆に、たまってほしいもの。貯金が筆頭。これは、少額でもコツコツと貯める。
ともかく、「たまってほしいもの」、「たまっては困るもの」、いろいろある。
しかし、基本は、小さいうちに処理する。小さくても侮らずその都度処理する、がコツと言えそうだ。
 

(ところで) 

 ところで、お金について、大量に一挙に稼ぐ方法もあるだろうが、これはごく稀だ。少なくとも我々庶民の方法ではない。しかし、我々にとってもお金を大量に一挙に使うことは簡単なので要注意だ。もっとも大量のお金を持つこと自体そうそうないが。