トントさんと言葉のデッサン

人生で出会ういろいろな事を日常の言葉で描きたいと思っているブログです。

人間関係、この面倒だが面白い関係について(2)

 最近、

あるタウン誌に、なるほどと感心するエッセイが載っていました。

『「いい男を引き寄せる方法」 お多福美人講座 第16回 千代里(ちより)

 メトロポリターナ Vol 169 2017年1月号 』 

そこには女性から見た出会いの方法として、次のような趣旨の事が紹介されていました。

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素敵なご縁を望むなら、見た目に気をつけ、美しい所作や言葉遣いを心がけるのは、当然のこと、さらに、

- 男性を追いかけないこと。

- 自分の好きなこと、夢中になれることに打ち込むこと。

- お金やステイタスへの欠乏感から異性を求めないこと。

- 一方で、人を寄せ付けなかったり、周りの方の好意を受け入れない頑なな姿勢になることがないようにすること。

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ここには、男女間だけではなく、人間関係一般にも通じるようなコツのようなものが含まれていると思います。

でも、

このアドバイスは、少し意外な方法ですね。

直観的に思い浮かべる直接的な方法に比べると、方向が逆になっています。

普通は、「追いかける」方向でのテクニックを直観的に考えますが、ここでは「追いかけない」方向の内容になっているわけですから。

「求めるならば、求めてはいけない」というわけです。

どうして、このような逆説的で間接的な技が必要になるのでしょうか?

                         

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「物」に対比した「人」特有のあり方という点から考えてみました。

「人」が相手の場合には、こちらの意図や事情だけで一方的に行動してもうまくいかないということは、経験から納得できると思いま。

なぜなら、「人」は「こちらの行動やあり方を見て動く」からです。

そうすると、「人」である相手もこちらを見ることを前提にして、

 まず

相手がどのようなあり方や行動に関心を示すか、あるいは求めるかを相手の立場で考える。

 その上で、

自分のあり方や行動を決める

という少し高度?なことをする必要があります。

「物」が相手であれば、最初のステップは、常識的な見方や本能的な反応で対応できます。

そこで、実際、

相手の立場に立って、自分だったらどんな人に魅かれるか想像してみます。

どんな人に私たちは魅かれるか。人それぞれな面もあるでしょうが、例えば、笑顔と明るさは、その候補の一つでしょう。明るくて、一緒にいるだけで幸せな気分になれる人、笑顔が魅力的な人。優しい人。(少し求めすぎですね。あくまでも目指す方向ということで。)

ならば、相手をこちらに引き寄せるには、自分がそのような魅力を持つ存在になる、そういう方向に進むことが必要ということに気がつきます。

そして、自分が相手にとって魅力的な存在になるためには、好きなこと、夢中になれることに打ち込んで充実することが必要ということになります。

こう考えることで、引用させていただいたエッセイのアドバイスが重要な理由も理解できます。

そして、こう考えると、自分の行うべきことが、

 - 相手の意図や考えをその立場にたって考えた場合と、

 - 自分の立場や気持ちや事情だけで半ば自動的に考えた場合では、

反対の内容になっていることにも気がつきます。

いわば、自分の事情だけ考えれば「押す」ところを、相手がどう認識し行動するかも考えて「引く」にするわけです。

そして、そうすることが、自分のためになる、という少しひねった状況になっています。

これは、もともと、「自分が相手だったら、相手はこうするだろう」という反転した思考法によるためかもしれません。

ともかく、上のアドバイスが、直観的に思い浮かべる直接的な方法に比べると、方向が逆になっているのも、こう考えると納得がいくと思っています。

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よく「相手のある話だから~」と言います。

この場合、こちらが何をやっても、相手がどう考え、どうするかは相手の自由でこちらにはどうしようもない、という一種の諦めが強調されているように思います。

しかし、上のように考えれば、「まったく手がない」ということはない、ということになります。

相手の立場だったらと考えて、こちらのあり方を整える、それによって相手を動かす」という間接技がある、ということです。