トントさんと言葉のデッサン

人生で出会ういろいろな事を日常の言葉で描きたいと思っているブログです。

普段してないことはいざという時にできない。

  これは、ある企業が作った防災パンフレットのコピーです。

   でも、どういうこと?

  「いざという時」というのは、急に起こった状況の整理やはじめて出会う感情の 

  波、何かしなければならないという焦りなどが一挙に現れ頭の中の処理エリアはい

  っぱいいっぱいになります。頭は真っ白になる。身体が動かない。そんなときには

  じめておこなう動作に集中できる余裕を期待することはできません。

  

   そこで、「いざという時」の行動手順を普段からトレーニングして身体に半ば自

  動化しておく。そして、「いざという時」には手一杯になった頭に負担をかけるこ

  となく行えるようにしておく。そういうものでないと「いざという時」の使い物に

  ならない。そういうことだと思います。

   でも、そうだとすると、私たちはなぜ「そんな簡単なことは、練習などしなくて

  もいざとなればできる」と思ってしまうのでしょうか。

   私の考えはこうです。

   想像上の「いざという時」に無意識に当てはめていたのは実は「今の冷静で余裕

  のある状態」であって、実際の「いざという時」の状態ではなかった。

  だから、「できると思ってしまった」のだと。

  これは、頭が陥りがちな思考のバイアスである。そう考えています。  

  普段してないことはいざという時にできない。